退去費用の相場と原状回復の基本|転居・引越しを安く抑える3つのコツ

これから引っ越しをする方は特に、退去費用の相場はいくらなのか、高額な原状回復費用を請求された場合どうすればいいのか、など多くの疑問があると思います。

国民生活センターには、賃貸住宅の退去費用に関わる敷金や原状回復など以下のようなトラブル相談が例年13,000件以上寄せられています。

  • 2年間入居したアパートを退去したところ、敷金が返還されないばかりか高額な原状回復費用を請求されたが、どうしたらよいか。
  • 借家を退去したが、クロスと床に傷があるとして高額なリフォーム代を請求された。金額が妥当か知りたい。
  • 2年間居住した賃貸アパートを退去した。当初から傷が付いていた扉の修理代を敷金から差し引かれ不満だ。返金してほしい。

引用元:独立行政法人国民生活センター|賃貸住宅の敷金、ならびに原状回復トラブル

退去費用はなるべく安く抑えたいものですが、賃貸の契約内容や使用状態によって変わります。この記事では、退去費用の相場、そして安く抑えるためのコツをご紹介します。

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不動産業者が退去費用を決める際のポイント

退去費用は、酷い汚れでない限りは敷金から清算します。この項目では、不動産業者が退去費用を決める際のポイントとなるものをご紹介します。

退去費用の相場

退去費用は、契約内容や部屋の築年数などによって異なりますが、家賃2ヶ月〜3ヶ月分程度までとされています。

一般的なハウスクリーニング費用の相場は以下の表の通りです。ただし、入居者が退去費用として負担するものは基本的にこれらの費用の一部です。

汚れや破損 修繕内容 料金相場
壁のピン穴 壁紙張替え 約1,000円/2㎡
壁や天井の穴の修復 下地ボード取り替え 約30,000円/1箇所
床板のシミ 床板の汚れ除去 約10,000円/1箇所
床板のカビ・破損 床板の張替え 約8,000円/1㎡
お風呂のカビ 業者によるクリーニング 10,000〜20,000円前後
台所の油汚れ 業者によるクリーニング 15,000〜25,000円前後
部屋全体の軽度の汚れ 業者によるクリーニング 10,000〜30,000円前後

建物の耐用年数と入居年数を考慮する

退去費用は入居前の状態に戻して物件をオーナーに返す「原状回復」のための費用です。

いくら入居前の状態に戻すといっても、日当たりの良い部屋に10年も住んでいた場合は、どんなに気をつけていても壁紙が日焼けしたりしますよね。

なので、待機費用では建物の耐用年数や入居年数を考慮して金額を算出します。

引用元:国土交通省|原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)

通常の使用で発生する汚れや傷はオーナー負担

国土交通省では、原状回復などの退去費用について以下のように定義しています。

原状回復を「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損(以下「損耗等」という。)を復旧すること」と定義

引用元:国土交通省|原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)

このため、冷蔵庫の背面の黒ずみや家具設置による床・壁紙の軽度の傷などは通常の損耗と考えられるためオーナー負担になります。

この他のオーナー負担になる汚れや傷は以下の通りです。

部屋の箇所 入居者負担 オーナー負担
手入れ不足による拡大した壁紙クロスのカビやシミネジや釘穴など下地ボートの張替が必要な破損 日焼けなどによる壁紙クロスの変色下地ボードの張替が不要な範囲の穴(画鋲やピンによるもの)
手入れ不足によるカビやシミ(飲み物をこぼして放置した等) 家具の設置などによる床やカーペットのへこみ
キッチン 通常使用の範囲を超える油汚れやスス汚れ 冷蔵庫の後ろなどの壁紙の汚れ
お風呂 給湯器を空焚きして壊してしまったなどの場合 経年劣化による故障通常使用の範囲内のタイルのカビ等

鍵の交換費用

鍵の交換費用は、契約内容に含まれない限りはオーナー負担です。もしも、契約内容に記載されていないのにも関わらず鍵交換費用を請求された場合は、「契約内容に含まれていない」と断ることができます

契約内容による負担|ただし不利な契約は無効になる可能性が高い

契約内容によっては、退去費用の支払い義務が発生する場合があります。ただし、特約を設定して契約する場合は、賃貸契約の際に負担金額などの具体的な説明をしなければなりません。もしも、特約内容が消費者にとって一方的に不利な内容であった場合は、契約内容の無効性を訴えることもできます。

原状回復特約

原状回復特約とは、特約としてある程度の原状回復費用を入居者に負担させることです。

ただし、原状回復特約を契約に含める場合、オーナーは入居者に対して、契約時に具体的にどの部分をいくら入居者に負担させるなどを明示・説明しなければなりません。繰り返しになりますが、契約書への明記や説明などがない場合は、無効になる可能性もあります

賃借人に特別の負担を課す特約の要件

① 特約の必要性があり、かつ、暴利的でないなどの客観的、合理的理由が存在すること
② 賃借人が特約によって通常の原状回復義務を超えた修繕等の義務を負うことについて 認識していること
③ 賃借人が特約による義務負担の意思表示をしていること

引用元:国土交通省|原状回復をめぐるトラブルとガイドライン

敷引き特約

関西の一部の地域にある敷引き特約は、敷金の中から原状回復費用を一定金額差し引くという契約です。

この場合は、基本的に契約書に記載されている金額のみの負担になります。

例えば、「敷引き1ヶ月」と契約書に記載されている場合は、退去時に敷金から家賃1ヶ月分の金額が差し引かれることになります。ただし、敷引き特約であっても、家賃2〜3ヶ月以上の金額を入居者に負担させるのは、無効になる可能性があります

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退去費用を安く抑えるためのコツ

退去費用をなるべく安く抑えるためのコツは以下の3つです。

  • 退去時の掃除は水周りと壁を念入りに行う
  • 「午前引っ越し」「午後現状確認」を心がける
  • 現状確認では原状回復ガイドラインを持参する

詳しい内容はこの項目でご紹介します。

退去時の掃除は水周りを念入りに行う

退去時の現状確認で、最もツッコミが入ってしまう場所のひとつが水回りです。お風呂のタイル、パッキンのカビやトイレの黒ずみこれらは専用の洗剤で簡単に綺麗になります。

水回りを入念に行うことで、「この人は綺麗に使ってくれていた」と印象づけることができ、ハウスクリーニング代などが安くなるかもしれません。

「午前引っ越し」「午後現状確認」を心がける

理想的なのは、現状確認を夕方くらいの時間帯に回すことです。

多くの物件では、明渡しの際には電気を解約してしまっているため、薄暗い中、懐中電灯などをつけて立会い確認をすることになります。

夕方は、太陽光でよく見える昼間より、多少汚れや傷が見つけにくくなります。

現状確認では原状回復ガイドラインを持参する

現状確認をする際に、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改定版)」を印刷して持参するというのも一つです。

このガイドラインは不動産会社も原状回復費用を請求する際の目安として使用しているものです。そのため、見えるようにそれとなく持っていることで、不動産業者に「この人には法外な値段は請求できない」と思わせることができます。

都内の方必見の「東京ルール」

都内の物件にお住いの方には、東京都が敷金などの原状回復トラブル防止のために作成したガイドラインが適用されます。

東京ルールでは、原則入居期間中の修繕や通常の損耗(汚れや傷)の修繕はオーナーが負担とすることを定めています。

関連リンク:東京都|賃貸住宅トラブル防止ガイドライン

みんながコッソリ実践している賃貸のプチ修復法

人が居住している以上、ある程度の汚れは仕方のないものです。

通常の使用で発生する汚れや傷はオーナー負担」でも、原則として通常使用する範囲内での汚れや傷は退去費用に含まれないとされていますが、やはり気になるものです。

ちょっとした汚れや傷は自分で修復することも可能です。この項目では、SNSでも紹介されているプチ修復法をご紹介します。

壁紙の画鋲跡や小さな汚れには修正テープ

白い壁紙の小さな傷や汚れには修正テープが有効です。

画鋲の跡や小さなシミくらいなら隠れます。修正テープで隠した後に指で馴染ませるとほとんど分からなくなります。

なお、壁紙が少し日焼けていて真っ白ではないという場合は、再生紙用の修正テープを使うことをおすすめします。

無垢素材の床・畳の凹みにはアイロン

天然無垢の床や畳は、物を落としたり家具を置いたりすることで凹む事もあるでしょう。

軽度の凹みはアイロンのスチームを軽く当てることで、木材などを膨張させて隠すことができます。

タバコのヤニにはメラミンスポンジ

タバコのヤニ汚れは水拭きでは落ちませんよね。キッチンの換気扇周りや扉などのヤニ汚れはメラミンスポンジでこすると落ちます。

壁紙に関しては、材質によって壁紙自体が傷んでしまう事もあるので様子を見ながら使用してください

退去費用で貸主とトラブルになったときの相談先

退去費用で高額なハウスクリーニング代、リフォーム代を請求されてしまった場合は、請求に関して納得がいかないと断りましょう。

退去費用などのトラブルは解決策を相談できる窓口がいくつかあります。

国民生活センター

  • 請求された退去費用が「ぼったくり」ではないか
  • 敷金が返還されない

上記のような場合は、国民生活センターの相談窓口で対処方法を相談することができます。

【国民生活センターの電話相談】

  • 受付時間
    平日:午前11:00〜午後13:00
    (年末年始、土曜日曜祝日を除く)
  • 電話番号
    03-3446-0999

参考:独立行政法人国民生活センター|全国の消費生活センター等

法テラス

  • 敷金の返還を請求したい
  • 敷金の返還を求めたのにオーナーが応じない

上記のような場合は、「法テラスを通して違法性がないか」「弁護士に相談すべきトラブルか」等を相談することができます。

【法テラスの電話相談】

  • 受付時間
    平日:午前9:00~午後21:00
    土曜日:午前9:00~午後17:00
  • 電話番号
    0570-078374

参考:日本司法支援センター法テラス|敷金

まとめ

退去費用は可能な限り安く抑えたいですよね。この記事でご紹介したコツや修復方法などを駆使すれば、原状回復などの退去費用が安くなるかもしれません。

ただし、一番大切なことは「日頃の手入れ」です。日頃の掃除をまめに行っていれば、高額な請求をされても堂々と断ることができますよね。

この記事のざっくりしたまとめはこちら!

  • 退去費用の相場は契約内容によるが、多くて2ヶ月〜3ヶ月分
  • 現状確認は夕方に行うと汚れが目立たない
  • 自分で手入れできる部分は掃除・修復をすることで安く抑えられる可能性もある
  • 過剰な退去費用の請求は窓口に相談する

この記事が、退去費用に悩んでいる方の解決のヒントとなれば幸いです。

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